歌人、穂村弘のエッセイ集。タイトル通り、世界と自分の間にちょっとしたずれがあって、対人関係において“自然に”振る舞うということができない自分の姿を面白おかしく綴っている。
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海炭市叙景
SAVE THE CATの法則
ハリウッドの脚本家による脚本術の本だが、優れた物語の構造分析としても読むことができ、脚本や小説だけでなく、プレゼンテーションや講演、論文執筆まで、幅広い分野のヒントになりそう。何より文章がユーモアに満ちていて、読み物としても非常に面白い。
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「ふたりの証拠」「第三の嘘」
「悪童日記」(原題“Le grand cahier”=大きなノート)の続編。巻が進むに連れ、文体とともに物語の見え方も大きく変わる。
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ウォッチメイカー
久しぶりの海外ミステリー。「ボーン・コレクター」から始まるリンカーン・ライムシリーズの第7弾。
“ウォッチメイカー”と名乗る犯罪者が、様々な拷問手法に想を得た残虐な手段で犯行を重ねていく。それに立ち向かうのは、科学捜査のプロフェッショナルで、四肢麻痺の天才――いわゆる安楽椅子探偵――のリンカーン・ライム。相棒で恋人のアメリア・サックス、キネシクスを用いた尋問のエキスパート、キャサリン・ダンスらとともに捜査を続けるうちに、ウォッチメイカーの事件と、警察官らによる汚職事件が交錯し、物語の展開は後半に行くにつれて加速していく。
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てふてふ荘へようこそ
古びたアパート。破格の家賃につられて入居すると、それぞれの部屋に地縛霊が取り憑いていて、幽霊との共同生活が始まる。ホラーというよりも、ファンタジータッチの人情喜劇。著者の作品はデビュー作の「夏光」しか読んだことがなかったので、作風の違いに驚いた。
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創られた「日本の心」神話 「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史
輪島裕介『創られた「日本の心」神話 「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史』
「演歌」はいつ成立したのか。
ベネディクト・アンダーソンの「想像の共同体」の冒頭には、客観的には新しい現象の「国民」が、ナショナリストの主観的な目には古くからある存在に見えることが書かれている。ナショナリズムに限らず、「伝統」の顔をして現れる多くの文化・風俗は実際には新しいものである。著者は日本の大衆音楽史を丁寧にたどり、演歌というジャンルが60年代後半のカウンターカルチャーと商業主義の中で成立した過程を明らかにする。
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退廃姉妹
東京の裕福な家庭に育った姉妹の戦後の物語。母親を早くに亡くし、一緒に暮らしていた父親は戦犯容疑で連れて行かれてしまう。家を守るため、姉妹は自宅を米兵相手の慰安所にして生活費を稼ぐようになる。そこに特攻隊帰りの青年や、姉妹の父によって慰安所で働くことになった少女のエピソードが絡む。
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獣の奏者
久しぶりにファンタジーが読みたくなったので、未読だった人気シリーズを一気読み。「I 闘蛇編」「II 王獣編」「III 探求編」「IV 完結編」「外伝 刹那」の5巻。
闘蛇と王獣という兵器になり得る力を持った生物を巡る物語。厳しい戒律で管理され、決して人に馴れぬとされてきた王獣を操る技術を身につけてしまったことで、主人公の少女は運命の奔流に巻き込まれる。闘蛇と王獣を近代兵器のメタファーとした寓話としても読めるが、エンタメ小説にそうした解釈を一々差し挟むのは無粋だろう。とにかく面白い。
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