主君を殺し、将軍を暗殺し、大仏殿を焼く。「三悪」を犯した人物として語られることが多い戦後武将、松永久秀の生涯を描く長編小説。
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その話は今日はやめておきましょう
スタープレイヤー/ヘブンメイカー
ゲームでも小説でも、ファンタジー作品の魅力を大きく左右するのが、自分がその世界に行ったら、という妄想が捗るかどうかだと個人的には思っている。その点で著者の作品はその妄想が非常に楽しい。
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秋の牢獄
読書について
一言でまとめるなら、くだらない本を読むな、自分の頭で考えないやつはクソだ。(もちろん、「くだらない」は、ただ低俗という意味ではない)
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兄の終い
ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい
表題作は、ぬいぐるみサークルの男女を中心とした物語。主人公は人を傷付けることを病的なまでに忌避し、他者の事情に踏み込むことに対して極めて臆病。恋バナに乗れず、男同士の露骨な会話に生理的な嫌悪感を抱く。自分が男であるというだけで、加害者の立場にいると気にしている。
こういう感性の人は昔からいただろうが、その消極的な“優しさ”は非常に現代的だと感じる。令和文学史、あるいは2020年代文学史が語られる時に、その初めに登場する作品になるかもしれない。
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ガンジス河でバタフライ
20歳女子の一人旅。香港、シンガポール、マレーシア、インド。刊行は2000年だが、綴られている旅は90年代の初めのもの。ベストセラーで、テレビドラマ化されたこともあって、著者は女性バックパッカーのアイコンのようなイメージを築いた。
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禅銃(ゼン・ガン)
「カエアンの聖衣」が非常に面白かったので、同じくコアなファンの多い「禅銃」も。
反乱で崩壊に危機に瀕した帝国、他の宇宙からの干渉、究極の戦士「小姓」、小さくも強力な兵器「禅銃」――など、SFやファンタジー好きの心をくすぐる設定盛りだくさん。
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ヒッキーヒッキーシェイク
引きこもりたちが、変わり者のカウンセラーの呼びかけで、「不気味の谷」を超えたバーチャルアイドル創作のプロジェクトに参加する。
荒唐無稽だが、決してスケールが大きいわけでも無い。それでもどこか惹かれる。不思議な手触りの小説。
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