表題作は新潮新人賞を受賞した著者のデビュー作。ただ、単行本化、文庫化にあたって大幅に改稿されているようで、もとの作品がどうだったかは分からない。
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静かに、ねぇ、静かに
短編集。「本当の旅」「奥さん、犬は大丈夫だよね?」「でぶのハッピーバースデー」の3本。SNSなどのネット空間と現実の両方に生きている現代人を諷刺する内容。
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あなたの人生の物語
寡作なSF作家、テッド・チャンの短編集。表題作など8編。ファンタジー的な「バビロンの塔」から、「アルジャーノンに花束を」を連想させる「理解」、差別の問題を扱った「顔の美醜について」まで、題材、趣向はさまざまだが、科学、言語、倫理、宗教などのもたらす世界観の相剋が物語の根底にある。
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小説の自由
小説をどう書くか、小説をどう読むか、そもそも小説とは何か、という問いを巡る文章は古今東西繰り返し綴られてきた。著者の小説を読んだことがあれば、そもそも論旨明快な小説論を期待して本書を手に取ることはないだろうが、完成された評論というより思考の記録といったほうが近い。つまり、ひと言ではまとめられない。
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熱源
樺太アイヌのヤヨマネクフと、故郷を奪われたリトアニア生まれのポーランド人、ブロニスワフ。史実に基づいて展開する2人の生涯が“文明”に抗った人々の熱を現代によみがえらせる。
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ニール・ヤング回想 Special Deluxe : A Memoir of Life & Cars
旧車マニアであるニール・ヤングが車との関わりを軸に半生を振り返った回想記。原題は「Special Deluxe:A Memoir of Life & Cars」。
ロックのレジェンド、我が道を行くという点ではディランと双璧ともいえるニールの半生は、それだけでも興味深い。ただ、自伝や伝記は既にあるし、内容はそちらの方が細かい。×年型○○と車の名前が次々と出てくるからアメ車ファンにはたまらない内容だろうが、自分にはその方面の知識も車への関心も全く無い。さらに、学術書のような値段(4800円)が、手に取るのをためらわせていた。
しかし、いざ読み始めてみると、これがめちゃくちゃ面白い(自分がニール・ヤングの熱狂的なファンであるということを差し引いても)。
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ドサ健ばくち地獄/新麻雀放浪記 申年生まれのフレンズ
阿佐田哲也「ドサ健ばくち地獄」
「新麻雀放浪記 申年生まれのフレンズ」
戦後を代表する大衆小説で、青春小説、ピカレスクロマンの金字塔「麻雀放浪記」。「ドサ健ばくち地獄」と「新麻雀放浪記」はその続編にあたり、時代は「麻雀放浪記」の数年後と十数年後。それぞれ、ドサ健を取り巻く人間模様と、40歳になった坊や哲が、若い“ヒヨッ子”の師匠になる話が綴られる。
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2019年まとめ
2019年に読んだ本は、前年と同じ114冊、3万5218ページ(前年比561↓)。
小説は例年に比べて新刊を多く読んだ年だった。当たり外れは大きいものの、リアルタイムで良い作品に出会う喜びは大きい。絲山秋子「夢も見ずに眠った」、川上未映子「夏物語」、大島真寿美「渦」、窪美澄「トリニティ」、河﨑秋子「土に贖う」、吉田修一「国宝」など。読んでいる時は気にしなかったけど、こうして並べてみると女性作家の作品ばかり。
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婚礼、葬礼、その他
中編2本。表題作は、旅行に行こうと思っていた連休に友人の結婚式のスピーチと2次会の幹事を任され、当日は会社の上司の父親の通夜に呼び出されるというドタバタを描く。主人公のヨシノは食事のタイミングを逃し、猛烈な空腹感の中、周りに振り回され続ける。
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デッドライン
大学の修士課程の2年間。ハッテン場に出入りしながら、大学の仲間や指導教員とのやりとりの中で自分を探し、デッドラインに向けてもがく日々が綴られる。
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