体育会系の青年。一見すると心身共に健康で、人当たりも良い人物だが、読んでいてどこか気持ち悪い。他者に(どころか自分に対しても)興味がなく、目の前のことにだけ反応して生きている。
「他者に迷惑をかけないが自己中心的」という人物像は、極めて現代的。
“破局” の続きを読む
読んだ本の記録。
体育会系の青年。一見すると心身共に健康で、人当たりも良い人物だが、読んでいてどこか気持ち悪い。他者に(どころか自分に対しても)興味がなく、目の前のことにだけ反応して生きている。
「他者に迷惑をかけないが自己中心的」という人物像は、極めて現代的。
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1991年のザイール、2012年のコンゴ。著者は、21年の歳月を隔てて、ザイール/コンゴ河の同じルートを丸木舟で旅する。一度目は夫婦で、二度目は若い研究者と。
“たまたまザイール、またコンゴ” の続きを読む
著者の西東三鬼(1900~62)は俳人。「神戸」は、戦後間もない1954~56年に「俳句」誌に連載された文章。戦中に神戸の「国際ホテル」で過ごした日々の回想で、文章そのものは短いが、登場人物の濃さと、それを淡々と綴る著者の文章のギャップがなんとも言えない魅力を醸し出している。しばらく絶版となっていたが、昨年復刊され、新潮文庫に収録された。
“神戸・続神戸” の続きを読む
原題は「Bootleg」。選挙で勝利した「健全健康党」がチョコレート禁止法を発令。健康に悪いという理由で菓子やジュースが禁じられた社会で、少年たちがチョコレートの密造を始める。
“チョコレート・アンダーグラウンド” の続きを読む
ある意味、すごいノンフィクション。
デビュー作「幻獣ムベンベを追え」から未確認動物を旅の一つのテーマとしてきた著者は、あるウェブサイトで、インドの浜辺で謎の魚を見たという投稿を見つけ、インド行きを画策する。
事前調査・準備という旅の助走の描写がやけに長い。そして本の半ばを過ぎたところで最大の関門である、インドに入国できないという問題が立ち塞がる。著者は「西南シルクロードは密林に消える」でインドに密入国、強制送還されており、その記録が残っていたのだ。
“怪魚ウモッカ格闘記 インドへの道” の続きを読む
すごい本である。インドの多様な食を紹介――といっても、研究者による食文化論ではない。タイトル通り、全インドを食べ歩くためのグルメガイド。かなり分かりやすく書かれているが、それでもニハーリーやクルチャーなどなじみのない言葉が次々と出てきて、文章を読みながら、異文化の中を旅している気分になる。「北・東編」「南・西編」の2分冊でボリュームたっぷり。旅行人の情報量の多いガイドブックを開いた時の興奮を思い出した。
“食べ歩くインド” の続きを読む
名著「四畳半神話大系」の16年ぶりの続編にして、久しぶりの“腐れ大学生”もの。といっても前作の後日譚を描くのではなく、外伝、二次創作的な内容。劇団「ヨーロッパ企画」の名作「サマータイムマシン・ブルース」を「四畳半」の世界に翻案し、おなじみのキャラがタイムマシンを巡る騒動を繰り広げる。
“四畳半タイムマシンブルース” の続きを読む
2003年のデビュー以来、さまざな媒体で書いてきたエッセイをまとめたもの。文庫版約500ページと大ボリュームで、仕事、趣味、日常、生い立ちと話題は多岐にわたる。
“太陽と乙女” の続きを読む
花房観音「京都に女王と呼ばれた作家がいた 山村美紗とふたりの男」
「ミステリーの女王」と呼ばれた山村美紗の評伝。
他の作家に京都を舞台にしたミステリーを書くことを許さなかった。広告で自分より名前が大きく掲載された作家がいると、編集者を呼び出して謝罪させた――。数々の伝説に彩られた女王の生涯を、「ふたりの男」との関係を軸に描く。
“京都に女王と呼ばれた作家がいた 山村美紗とふたりの男” の続きを読む